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第822回 ひとのきもち

 布団を敷こうと思ったら、畳の上と押し入れの境にアリがいました。
 こんな所にいちゃイヤだから、外に出そうと思って摘まもうとしたら、飛んだ!
 アリじゃなかった? なんと、今度は布団の上に着地。もっと困りますから、両手をふっくら膨らませて捕まえました。窓にたどり着かないうちにすごい痛み! 痛い!思わず手が開いてしまって、アリもどきはどこかへ行ってしまいました。私の手には針で刺したような強烈な痛み。あの小さな生き物がこの痛さをうむような針を持っているなんて信じられませんでした。そうなると、毒が全身に走るのではないか、刺されたところが膨らんでくるのではないか、布団の中にいて寝たときの襲ってくるかもしれない。いっぱい食われたらどうしよう。妄想が広がります。
 そうなると、見つけたときに潰してしまえばよかった! 外に逃がしてあげようと思ったのにどうしてなの? 痛みと腹立たしさとでクソ!と思っています。
 徐々に痛みは消え、寝るときにはなかったように。そして、思うのです、アリの気持ち。あっちにしてみれば見つかった!と捕まる!思ったから飛んで逃げた。でもさらに追い詰められて捕獲されてしまった。命が掛かっていますから、なんとしても逃げなければなりません。最後の手段の自らの武器を使った。ということかと思ったら、そりゃあ私の気持ちなんてわかりゃしないわよね。この人は外に出そうとしてくれているなんて。刺されてわかる相手の気持ち。そうよね、子どももおとなも同じ。よかれと思った配慮は空振りで、傷ついたり、傷つけられたりの連続。でも、だから気がつく相手の気持ち。「相手の気持ちになって考えましょう」なんて、かなり傷を受けた経験ないとわかんないよねって思った次第でした。
 このところ、書きたい気持ちは数々あれど光陰矢の如しですっ飛んでいきます。
 大きなできごとはなんと言っても「夏季セミナー」の会場開催でした。久しぶりに会場での熱気を感じました。
 何十年も続けてきてくださっている方、初めての方、それぞれに保育を楽しみたいという表情で輝かれていました。この日、木村泰子さんとの新刊が初発売ということもあって、つたないサインと写メに応じさせていただきほんの少しのおしゃべり。鹿児島からも北海道からもいらしていただきました。ほんとにありがたいです。36回目のセミナーを続けてきた甲斐を感じました。参加して下さった方々ありがとうございました。あ!ちなみのオンラインの方は9月末までやっています! 
 終わった途端に卒業生のキャンプ。私、もう、行きません。無理! なので、中日に一日オープンデーをして、懐かしい方をお招きしています。やってきました四人の子どもの母になっている卒業生と祖母も一緒に。細くてちょっと情けなかった子なのに四人も産みました。けど、相変わらず細いけど母でした。わからないものです。
 夫と子どもを連れて来た子もいました。まだ、1歳の子ども、そこへ保育士で一歳児担当と卒業生もいたりして。
 奈良からやってきた子もいます。沖縄で芸術関係の大学を出て、奈良の自分に合った会社を見つけて張り切っていました。驚いたのはスマホに4000枚も写真が入っています。それもりんごの木のときのまで! 若い人はみんなそのようでした。もはや、なにもかもが手のひらに入る小さな機械に詰め込まれているのですね。無くしたら大変!
 前半のキャンプから帰ってきた子どもとの話、参加してくれてた親の感想。とても励まされました。繋がり続ける意味は生きることを励まし合えるということなのだと感じます。(2026.08.18記)