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第810回 卒業式

 20日が卒業式でした。
 この最後のセレモニーをなんと表現するかも変わってきましたね。
 小学校では「卒業証書授与式」などと書かれていました。
 りんごの木はずっと「卒業式」。一般的には卒園式が多いのですが、りんごの木は幼稚園や保育園のように園がつかないので、こんなふうにしてきました。園は法律上の設置基準による認可を受けたところが使える名前なのです。
 今回で「36回卒業式」でした。創立43年ですが、始めは3歳児までだったので、4,5歳児を始めて36年ということです。
 コロナ感染状態があってから、状況で場所は変化してきました。この数年はいつもの保育室で午後の開始です。おめかししてくる子もいれば、いつもの服の子もいます。親達はいつもとは違いましたね。保育者もいつもの違うし、お化粧もしていました。ハレの日ですから、おとなはちょっとおしゃれです。
 例年のように練習なしで、その場で子どもに順序を伝えて進行です。
 名前を呼ばれたら前に出て、いつもの跳び箱3段の上に立つ。修了証書をいただいたら、おとなたちからの歌のプレゼントを聞いて、壇から降りる。世界で自分だけの歌を、この場で初めて聴きます。
 前の壇上に立つだけで、視線を浴びて困ってしまうのに、歌が終わるまで聞いていなければなりません。ほんとは自分の歌に感動して欲しいところですが、それどころではありません。頭の中は真っ白状態だと思います。きっと、聞こえているようでも意味はわから
ない。あとでじっくり聞けるようにCDを持ち帰ることにしています。親は聞こえているようで涙を拭いている姿があります。
 2時間近くの式の後は、子どもたちは遊び納め、おとなたちは話し納めです。お茶と運動会のときのパン食い競争に使った手作りあんパンです。
 外が暗くなり始めた5時に全員集合して、プレゼントなどをもらって、「見花山にいこう」という増田裕子さんからいただいた歌をうたって解散となりました。
 毎年卒業生を送り出してきました。このあとの道はりんごの木のように自分を尊重してもらえるとは限りません。卒業していった多くの子どもたちの姿を思い浮かべます。なにもなかったなんてことはなく、みんないろんな事にぶつかり、悩み、それでも越えながら前へと進んでいきます。
 今年も子どもたちの心に小さなりんごの木の種を植えました。成長と共に耕かされていく心に、なんとか根を出し、芽を伸ばし、その子らしく育つ力の足しになって欲しいと願っています。そして、子どもたちが安心して育っていけるように、「困ったときはりんご
の木」と親御さんにも伝えました。
 これからも親と共に成長を見守らせてもらえたら、保育者冥利に尽きます。たくさんの子の人生の始まりに関わらせてもらっていることに、心から感謝です。やっぱり保育はいい仕事です!(2026.3.21記)