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第808回 子どもで息抜き

 日々の私はほとんどが朝から晩までおとなと話しています。講演したり、相談に乗ったり、取材を受けたりしています。どれも好きですが、子どもに会う時間がない! 先日、寒い雨の翌日3,4,5歳児がいる畑(空き地)に行きました。
 この日はどんよりした天気でした。気温も寒くも暑くもなく、はっきりしない天気でした。前日の雨がひどかったので、ぬかるんでいると思って長靴を履いて行きました。
 あれ? 雨は乾いた土が吸い取ってしまったようです。ぬかるんでいるのはほんの一部分。でも、そこでは裸足で3歳児がヌルヌルを楽しみ、お鍋にトロンとした泥を入れてお料理をしていました。
 大きい組の人達は木工で何かを作ったり、部屋の中で絵を描いていたり、竹を切ったりしています。広い空き地で走り回る子どもを想像していたら、なんか静かです。ふと思いだしました。天気と子どもの関係。本来天気との関係は濃くカラッと晴れるとカラッとあそぶ。どんよりしていると、なんとなく身を寄せている。以前そんな気がしていました。今や雨でも風でも走り回っている子どもたちなので、そんなことをすっかり忘れていました。
 どうなのでしょう?自然の多い地域ではそうかしら、そういえば夕暮れ時は何気なくわびしくなって子どもがグズグズするのも常でした。都会住まいで四角いビルに囲まれていると、人間の自然現象も疎くなっているのでしょうかね?
 畑の机の上で3歳児が四角い木片に釘を打っていました。力が弱いのでトンカチで打ってもなかなか釘が沈んでいきません。釘が横に曲がってしまうので「打っていい?」と聞いて、私が横から釘を軽く打ち真っ直ぐにします。まっすぐになると上からトントン。繰り返していたら、私がしなくても自分で横から打って真っ直ぐにするようになりました。とうとう釘が木片に潜り込むのに、どれだけ時間がかかったでしょう。「つるつるになったね」「すごいね」と一緒に喜びました。
 一方、5歳児のひとりが竹を5センチくらいに切り、二本作り、その間に数センチの木片をつけようとしています。なにを作っているんでしょう。切っては顔の目と目の間にあてて、また切って・・・。とうとう聞きました「何を作っているの?」「ぼうえんきょう」(本とは双眼鏡でしょうけど)とのこと。やっては調整し、調整してはやりと黙々と続けています。
 おとなはマニュアルで読んだり、スマホや人に教えてもらうことがあたりまえになっていますが、子どもはやってみてわかっていくのです。自分の身体を使いながら、たくさんの時間と、失敗をしながら、確かに学んでいくのです。どの子も何かしらに気を向けて、試行錯誤しながら自分を育てています。
 やっぱり保育の子どもの姿は元気をもらえます。
 曇り空でしたが、気持ちは晴れていきました。私も自分を積み重ねていかなくちゃ!(2026.3.3 記)