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保育の踏ん張りどころ

急に暑くなりました。それも37℃とかになって、さすがに子どもたちの熱中症が気になります。2,3歳児の小さい組は一軒家なので、庭で水遊びしては家に入り。びっしょりになりながらあそんでいますから、気持ちが楽です。大きい組は公園でこおり鬼が流行っているとか・・・。保育者も気が抜けないようです。一日中冷房の家の中にいても仕方がない気候なのでしょうが、子どもの心身の健康が気になります。しかし、まだ6月ですからこれから先を考えると気が遠くなりますね。
11,12,23日は全国私立保育園連盟の大会で岐阜県高山市に行きました。名古屋から富山行きの特急電車に乗りました。途中の美濃太田へんまではよく行きますが、そこから先は初めてです。山々の木々がそれは美しい、その間を大きな川がなんとも言えない色でとうとうと流れています。もう、寝ている場合でも、本を読んでいる場合でもありません。揺れながら走る電車に身を委ねて楽しみます。
単線で二回の電車がすれ違うための場所がありました。こういう景色を見ていると、日本は豊かで幸せだなぁと思います。そして、本来こんな恵まれた自然の中で、子どもらは群れてあそんで育っていれば健康なのにとも思います。人間の住まい方が都市集中型になり、地方は過疎化し、子どもからは見えないところで親は働き、子どもは保育園に集められる。安心安全の管理の下に、おとなの評価の「いい子・いい育ち」の囲いの中に押し込められていく。するとゆがみが出てきて、政策や指針であるべき子ども像の通達が来て、現場は指示の元に子どもを育てようと努力する。どこがどう掛け違えたのか、みんなが窮屈なほうへ向かっているような気がします。人も豊かさを求めて大きく深呼吸したいところです。
大会は全国から1800人もの保育士が集まってきました。平日に保育を他の人に託して集まったのですから、熱気が漂っていました。一年に一度のお祭りのような熱気とも言えます。きっと、それぞれに意見交換をし、これからの保育への充電をしておられたことでしょう。
その数日後、リモートで岐阜県の保育者向けの研修会がありました。リモートで300人を越えていました。昼間の保育の最中でのリアル配信です。私はパソコンの狭い四角の画面から話しかけます。あちらの方は私を見ているのでしょうが、私に見えていることには気づいていない様子です。小さな四角い一つの画面に24人くらいの方の顔が入っています。スライドしながらほぼ全員の方が見えます。なので、あくびをしたり、何かを食べていたり、子どもが入ってきたり、保育士が交代したりとあっちの様子を見ながら話すことになります。こんなときは画面に釘付けになって頷いてくれる方が頼りです。その方に励まされながら2時間しゃべります。
やっぱり思います。オンラインは見ているのであって、コミュニケーションにはならない。
このところめっきり会場での対面が多くなり、リモートは数えるほどになりました。とは言いながら、りんごの木夏季セミナーは「りんごの木のミーティングとは」の収録を終えました。配信されたのを何回も聞けるというところはメリットですよね。両方あるのは用途に応じての巾は広がったということでもあるでしょう。
しかし、つくづく思いますが、保育なくして現代はありえない。特に保育園なくして子どもの育ちはありえないというほどの現状ですから、保育者の勉強会、研修会の数は昔の比ではなくなりました。なんとしても子どもたちが輝ける方向に向かって行かなければなりません。踏ん張りどころとも言えます。

(6月19日 記)